ジフテリア菌が卵巣がんの治療に?あさイチ

ジフテリア菌が卵巣がんの治療に役立つのではないかと注目を集めている。ジフテリア菌というとその毒素が全身に回ると心筋障害などを引き起こすとされる有害な菌です。子供の予防接種などでジフテリアの事を聞いたことがあるという方も多いはず。ジフテリア菌に感染すると発熱や喉の炎症を引き起こすといった症状が出るのが一般的。

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ジフテリア菌の毒を使った卵巣がんの治験

実際にジフテリア菌をつかった卵巣がんの治験がもうすでに行われている。
63歳の女性のケース

卵巣がんと診断されたのは5年前、あまりにも突然だった。しこりが2つ下腹部にできていた。便秘を疑って近くの病院を受診したところ、卵巣がんがと診断される。

すでに子宮やリンパ節にも転移していた。その当時はどんどんお腹が大きくなっていったが、お腹が太ってきた程度に考えていたという。

手術で腫瘍を摘出、そして抗がん剤治療を開始、しかし3ヶ月で再発。抗がん剤の種類をかえるが改善の余地がなかった。その時医師から勧められたのがジフテリア菌の毒素を使った新薬の治験だった。

ジフテリア菌の新薬の安全性を確かめる第一段階の治験だったが受けることにした。
女性は福岡大学病院でその治験を受ける。

新薬はジフテリア菌の毒素を100万分の1に弱めた治験薬。

ジフテリア菌の新薬のメカニズム

この新薬のメカニズムは抗がん剤とはまったく違うメカニズムで治療していく。卵巣がんの患者では、細胞を増やす働きのあるたんぱく質が非常に多くなっている。このたんぱく質ががん細胞の突起と結合すると次々にがん細胞が増殖する。
治験薬はこのたんぱく質をめがけて結合する。ジフテリア菌の毒素の構造とこのたんぱく質が似ているので結合しやすくなる。

すると、このたんぱく質はがん細胞と結合することができず、ガンの増殖を抑制する。さらに治験薬はがん細胞にも直接結合して中に入り込んで毒素が働きがん細胞も死滅させる。

女性の場合は、6日目に副作用で中断する。投薬されたのは規定の半分の量だった。ところが、治験の前と後では、3割弱腫瘍が縮小していた。

その後、女性は放射線治療や抗がん剤治療を再開。するとリンパ節にあったガンはなくなる。そして1年後には最後に残っていた腎臓と背骨の間にできたガンも消えた。

その後1年間、ガンの治療をすることもなく海外旅行も楽しんでいるという。

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