鍋の定番食材に、こんにゃくがあります。でもなかなか味が染み込みにくいというのが特徴。筑前煮などのこんにゃくを使った煮物をつくる予定の方は、砂糖を使って簡単に味を染み込ませる裏技がおすすめです。また、しらたきにも応用する事ができるので便利です。この方法はガッテンで紹介していました。また、あさイチでは日本料理の店主が行う叩いてこんにゃくを下処理して味を染み込みやすくする方法も紹介していました。
砂糖を使ってこんにゃくに味を染み込ませる方法
こんにゃくの達人の丹野益夫さんが教えてくれたこんにゃくに味を染み込ませる裏技はどの家庭にも台所にあるものを使います。こんにゃくを料理する前に砂糖を使います。
こんにゃくにはたくさんの水分が含まれていますが砂糖をかけると、その水分が砂糖の濃度の濃い方へ移動していく性質があり(浸透圧)、いわゆる脱水状態になるという。
この水分が抜けた状態でお出しに入れると、水分が抜けた分お出しがしみこむということでした。こんにゃくに味を染み込ませる方法は次の通りでした。
- 食べやすい大きさにこんにゃくをカットして袋に入れます。
- 次に砂糖をこんにゃく100gに対して5g程度を加えて、2分から3分間、袋ごともみます。こんにゃくから出てきた水分は、捨てても良いとのこと。
- 次に、袋にしょうゆ(あるいはお出し)をこんにゃくが浸るくらい加えて、冷蔵庫で3時間から6時間漬けておけば完成です。温めて食べたい方はお好みで、冷やした後、軽く温めるとのこと。
この方法だと冷えていてもこんにゃくに味を染み込ませる事が可能とのこと。ただし、この方法が使えるのはこんにゃくの原材料がこんにゃく粉となっているものだけだということでした。
しらたきも味を染み込みやすくする
上記と同じようにすることで、しらたきにも味を染み込みやすくすることができるとのこと。番組の後半で丹野さんがしらたきを使ったレシピを紹介している時、200gのしらたきに対して10gの砂糖を袋に入れて2,3分ほど袋ごと揉んだ後で水洗いして下処理を行っていました。
このしらたきに、めんつゆを加えて食べるとそうめん風しらたきのになるとのこと。ちなみに、番組では、臭みを取るための加熱処理などはしていませんでした。
こんにゃくを叩いて味をしみこませるコツ(下処理)
次の方法は、日本料理店の店主がこんにゃくに味を染み込ませていた方法です。こちらは、先ほど砂糖を使う方法とは違い、ちょっと力技が必要です。
- まずは、一枚のこんにゃくを用意します。
- 味を染みこませるためにこんにゃくをまな板の上でげんこつで叩きます。肩のこりをほぐすような感じで叩く。
- 叩く目安はこんにゃくの中の硬い芯が柔らかくなるまで。こんにゃくを叩く理由は、叩かれて組織が壊れて味が染み込みやすくなると考えられているという。
- つぎに味を染み込みやすくするために、こんにゃくの両面に5ミリほどの深さで切り込みを入れる。
- そして3cmほどのサイコロ状にカットする。
- 次にフライパンに水をいれてこんにゃくを下ゆで。水から湯がく。水から湯がくことで、あくなどの無駄なものがこんにゃくから抜け出る。後から美味しいものを吸わせることができる。
- 沸騰したら中火で3分。加熱し過ぎると硬くなるので注意。
- 下ゆでした後、こんにゃくをザルなどにいれて冷ます。これをおかあげという。水分が飛んで水分が抜けている時に味付けする。こっから煮こむと味がとても染み込む。
アレンジ筑前煮の作り方
続いて、番組で紹介していた筑前煮をアレンジしたレシピの作り方を紹介します。用意する材料は次のとおりでした。
筑前煮の具材(4人前)
- 鶏もも肉(260g)
- 人参(2分の1本)
- ごぼう(2分の1本)
- サトイモ(150g)
- シイタケ(5枚)
- れんこん(150g)
- きぬさや(4枚)
これら具材と一緒にこんにゃくを味付けする。具材は炒めないのがポイントです。もし味を染み込ませようとする食材を油でコーティングすると、味が染み込みにくくなるの注意が必要です。。
続いてだし汁の材料
- だし(500ml)
- しょうゆ(60ml)
- みりん(60ml)
- 砂糖(10g)
- シイタケのだし汁(100ml)
具体的な作り方
- まず、鍋に冷たい汁から具材と一緒にこんにゃくを入れる。
- キッチンペーパーで落し蓋をして、沸騰したら中火で5分煮る。
- 煮汁が半分になったところで火を止めて常温まで冷まして味を含ませる。
- 食べる直前になったら、また火を入れて、煮汁をまわしかけながら煮詰める。決して具材をかき混ぜない。
- 最後に胡麻油を加える(お好み)。ここでサトイモが崩れないようにサッとかき混ぜる。
- 絹さやを散らしたら8品目の煮物の完成。
筑前煮はおせち料理の定番なので、年末にこのレシピは重宝しそうですね。