クローズアップ現代ではPFOA(ピーフォア)という有機フッ素化合物の一つが水汚染など世界中で問題になっているということを取り上げていました。ピーフォアは今も分解されずに環境の中に存在していることからフォーエバーケミカルと呼ばれているとのこと。この物質の健康被害や日本ではどうなっているのかについて紹介していました。
PFOA(ピーフォア)はどういったものに使われているのか
20年ほど前まで焦げ付かないフライパンや水をはじく服などの身近なものから自動車、半導体まで幅広い用途で使われていたとのこと。
直接これらの製品から健康被害が起きるということはあまりないとされているが、自然界ではほとんど分解されないため、工場から漏洩したこの物質は今も環境中にのこり水を汚染しているとのこと。
PFOA(ピーフォア)の健康被害
このピーフォアに汚染された水を長期的に飲んだ人の中には腎臓がんや潰瘍性大腸炎などの健康被害にあったかたがいるとのこと。
2000年に起きた健康被害
このピーフォアの禁止のきっかけとなったのは2000年にアメリカで起きた健康被害だということでした。
汚染源となった当時のデュポン社の化学工場
では調理器具などを作るため、大量のピーフォアを製造していたとのこと。
排水に混ざったピーフォアが飲水を汚染し、周辺の住民の体内に取り込まれていったとのこと。
下流に住むある住民は10年間汚染された水を飲み続けた結果、潰瘍性大腸炎を引き起こしたとのこと。
ブラン大学のデビッド・サビッツ教授は工場の周辺住民およそ7万人を調査したところ、ピーフォアの濃度の平均はなんとアメリカ人全体の平均の20倍にも達していたとのこと。
また、デビッド教授によるとこのピーフォアは血液中に長く残ることから影響が出るまで何年もかかるかもしれないということでした。
日本ではどうなのか
実際問題このピーフォアという化学物質は日本でも検出されているとのこと。
例えば、河川や井戸などから検出されているそうでうす。
大阪市内のある寺の井戸水を調査したところアメリカでの基準値の21倍もあったそうです。
さらに、この地域の地下水を調査したところ高いところではアメリカの勧告値の125倍もあったそうです。
というのも、近くに4年前にピーフォアの製造・使用を停止した工場が存在していました。
沖縄での対策
沖縄では実際に水道水にピーフォアの影響が出ている地域があり、その地域では特殊の浄水器を設置することでピーフォアの濃度をアメリカの勧告値のおよそ半分にまで下げているということでした。
これによって健康被害は今のところ無いものだと理解しているとのこと。
実態把握が進んでいない
実はこのピーフォアに関しては全国の実態把握がなかなか進んでいないとのこと。
10年前に関東地方の80箇所で調査を行ったという横浜国立大学の名誉教授 益永先生によるとアメリカの勧告値の48倍や1.7倍など高い濃度が検出される場所が未だにあるとのこと。
幸いこれらの水は水道水には使われていないそうです。
健康への影響は今後も検証が必要
未だにこのピーフォアの健康への影響に関してはまだ十分に検証されていないので今後深く検討していく必要があるとのこと。
感想
日本でも早く基準を設けて調査して対策してもらいたいものです。