NHKスペシャルでは、女性の貧困問題と子供の貧困についての実態が紹介されていました。貧困は連鎖していて親の代から子供の代へと受け継がれている。雇用と家族、社会保障の3本の柱のバランスが崩れてしまい様々な問題や矛盾を生じさせている。
女性たちの貧困と子供の貧困
働く女性たちの6割が非正規雇用の現実
非正規で働く15歳から34歳の女性の8割が、国が生活支援の対策で困窮状態の目安としている年収200万円を下回っていることが明らかになっている。
年収200万円未満の非正規雇用で働く女性は289万人にのぼる。
このことは、雇用環境の変化で若い女性にとって自立した生活が送りにくくなっている証拠。
更には母子世帯の子どもたちが困窮した生活から抜け出す道を険しくしている。そして、貧困の固定化、階層化にもつながっている。経済協力開発機構によると日本の母子世帯の子どもたちの貧困率が先進国で最悪レベルだという結果がでていて、貧困の固定化が裏付けられている。
なぜ経済的に苦しむ若い女性が増えているのか?
非正規雇用の女性の賃金は男性の8割にとどまっている。収入が少ないので生活が豊になるはずはない。
ここ最近、ネットカフェの女性の利用者が増えている。定員の7割が長期滞在の女性のネットカフェもある。
住民票をビルの住所に移して郵便物を受け取ることもできる。
とあるネットカフェの1日の料金は通常だと2400円で30日以上滞在だと1900円となっている。
このネットカフェにもっとも長く滞在している女性がいる。19歳の女性。
畳一畳ほどの部屋に生活用品を持ち込んで生活をしている。
家を借りたいが敷金などのお金が払えないのでやはりネットカフェを利用している。
実は母親と妹も同じネットカフェで暮らしていた。
19歳の女性はコンビニエンスストアで週5日のアルバイトをしている。ようやく見つけた仕事だった。10万円のアルバイト代と母親から手渡される数万円で生活している。
1日1食で空腹の時は店内のドリンクバーでしのいでいる。
母と2人の娘はどのような生活をしていたのか。
母親は離婚後、看護助手として働いていた。しかし、子育てと仕事を両立に疲れ生活が困窮した。行政や周囲の人に頼ることができなかった。
女性の活用の話があるが…
現実にはそうではないという。
実際問題非正規雇用の女性の方が多い。
非正規雇用は従来は家計の補充という考えでしかなかった。
しかし、現在は非正規雇用の所得が家計そのものに変化してきている。
しかも、社会保障は単身の若年の女性を支援してくれるわけではなく、むしろ社会保険料だけの負担だけをむしろ背負い込んでしまっている状態にある。
困窮した生活から抜け出したいがそこには大きな壁がある
保育士の資格を取るために3年制の専門学校に通っているシングルマザー。
ひとり親のための資格取得を支援する高等職業訓練促進給付金を利用することで実現できた。この制度は学校に通う2年間は月10万円の生活費が支給される。
専門学校に支払うお金は3年間で380万円。この学費を賄うために1日10時間以上も仕事をこなしていた。しかし、このことで所得が上がり、月7万円までしか生活費が受け取れなくなり逆に生活が苦しくなってしまった。
このように貧困生活から抜けだそうと頑張ってもそれが裏目に出るケースもある。