12月19日の「この差って何ですか」では、この時期ならではのセータに関する疑問を取り上げていました。それは毛玉についてです。同じセータでも毛玉が付きやすいものとそうでないものがありその違いとは何かに迫ります。ポイントは天然繊維か化学繊維かの違いにありました。
毛玉ができやすいセータは化学繊維の素材でできている?
この時期は冬も本格化して寒くなる季節です。セーターを着る機会も増えてきます。セーターの天敵といえば毛玉。毛玉はセーターについていると見た目がだらしないし、取れにくいなどなかなか厄介なやつです。
毛玉について街の人に聞いてみても、「毛玉は気になる」や「セーターを買う時は毛玉ができそうでないものを心がけて選んでいる」「プチプチと地味に手で毛玉を取っている」など色々と厄介な存在のようです。
同じセーターでも毛玉のできやすさに差がある理由
文化服装学院の朝田真先生によると、セーターに毛玉ができやすいかそうでないかの差は、素材の差によるものだということでした。
そもそも、毛玉ができる原因は摩擦によって毛が絡まってできるという。
その上で、化学繊維のものは毛玉ができやすく、天然繊維のものは毛玉ができにくいとのこと。
化学繊維と天然繊維にはどんなものがあるのか
いわゆる化学繊維の素材というのはアクリルやナイロンといったような素材。このような人工的に作られた素材は毛玉ができやすいとのこと。
一方、毛玉ができにくい天然繊維の素材にはウールやカシミヤなど があるとのこと。
実験
番組では化学繊維で作ったセータ(アクリルとナイロン)と天然繊維で作ったセータ(ウールとカシミア)を用意して、毛玉発生装置を使いその違いを検証していました。
ゴム管に各生地を巻きつけて、毛玉発生装置の箱の中で回転させます。
5時間後、化学繊維のアクリルの生地をみてみると、毛玉がびっしりと着いていました。
一方、天然繊維のウール100%生地の方は毛玉がほとんどできていませんでした。
天然繊維に毛玉がつきにくい理由
ではなぜ、天然繊維に毛玉がつきにくいのでしょうか。実は天然繊維には化学繊維と同様に毛玉は作られているとのこと。
先ほどの実験でも天然繊維の生地には毛玉は着いていませんでしたがちゃんと毛玉じたいは発生していました。
では、毛玉はどこに行ったのかというと、天然繊維の生地は簡単に毛玉が落ちてしまっていました。
天然繊維の毛玉が落ちてしまう理由
天然繊維の生地の毛玉が落ちてしまう理由は、糸の強さにあるとのこと。
化学繊維のアクリルと比較すると、アクリルの方は引っ張ってもなかなか糸は切れませんが、天然繊維のウールの場合簡単に切れてしまいます。
この糸が弱いから、少しの摩擦ですぐに毛玉が取れてしまうということでした。