あさイチでは相続がテーマで遺産分割トラブルに関するテーマが紹介されていました。20代や30代はさることながら、60代の方でさえこの相続の件に関してはあまり関心がないようです。家庭裁判所に寄せられる相続に関する相談件数も平成22年度には17万件もあるという。
相続トラブルで多いのが遺産分割、どう分けるかで兄弟に亀裂が入ることもある。平等に分ければ良いのでは?とおもいますが、なかなか現実はうまくいかないようです。
何が平等なのか? Aさんのケース
Aさんは、父親がなくなったために遺産相続(家:1000万円)することに。遺産を相続するにあたって、兄・姉と意見が合わず、関係が悪くなったそうです。他人同士だったら、ずばずば物をいえるけれど、身内にはいえないというムードがあるという。
Aさんの場合、兄の提案は「残った家を売って3人で平等に分ければそれで良いだろう」というもので、姉も納得。しかし、Aさんは納得できなかった。
その理由は、兄と姉は、以前父親から資金の援助を受けていたから。兄は事務所を作るために500万円を援助してもらっていた。一方、姉もマンションのリフォーム資金として300万円の援助を受けていた。
Aさんは、そうした援助は受けていないので不満があったという。しかし、Aさんも実は、旦那と別居していたとき5年間実家で暮らしていたという。なので、援助を受けていたと姉に言われる。
でも、Aさんは実家に家賃などを入れたり、家事もしていたので甘えていたといえるほどではなかったと不満をこぼす。また、当時、母親の介護をしていたという。
こういったことも遺産分割に反映してほしいというのがAさんの主張。しかし、兄と姉は譲らない。母親の介護は当たり前ということだった。
番組ゲストの弁護士の見解
原則遺産は、法定相続分で平等に分割。このケースのように生前に資金をもらっていた場合は、特別受益といって通常遺産の額にもち戻して計算することになる。こういったお金は遺産の前渡しというように解釈するとのこと。
このAさんのケースだと、1000万円に兄が受け取っていた500万円と姉が受け取っていた300万円を上乗せした1800万円が相続財産として計算される。
これを3等分するので、もらえる遺産は各600万円ずつとなる。なので、兄と姉は、父親の生前に援助を受けていたので、結果的に兄は100万円、姉は300万円、Aさんは600万円受け取れるということになるそうです。
ただ、Aさんは、裁判で争った場合、兄・姉がお金を援助してもらったということを証明しなければないらないという。また、親の面倒をみていたという場合は、寄与分といって親の財産の維持・増加に貢献すると、遺産から優先的に財産をもらうことができるという。ただ、寄与分は特別な寄与でなくてはならず、普通介護は特別な寄与に当たらない可能性が高いという。
寄与に当たるケースは、仕事を止めて24時間付きっきりで介護するとか、高額の介護費用を負担した場合など。
介護費用を親の通帳から支払っていた場合
続いてトラブルになるケースで多いのが、介護費用の問題。特に自分の親の通帳から介護費用を出していると、他の兄弟から、自分私欲で使ったのではないか? と疑われてトラブルになるケースもあるという。
そういった場合は、介護用の通帳を作って、毎回まとまったお金をそこに入れる。そして、領収書などを取っておいて、記帳をしておくとこういったトラブルは減るという。