アンビリバボーでは謎の病原体が紹介されていました。デヴィッド・プリチャード博士はアレルギーと寄生虫(病原体)の関係を研究している博士。この博士の仮説がちょっと奇抜で面白かった。なんと花粉症、喘息などのアレルギーのある人に寄生虫を感染させた。その結果はいかに。
実はアレルギー反応だった!
日本ではアレルギー症状が突如おこり男子高校生が帰らぬ人になっていた。症状としては手足の痙攣、呼吸困難などを伴い、体中に赤いあざのような湿疹ができる。この男子高校生はコンビニで倒れてから20日後に亡くなってしまった。
同じ頃アメリカ、カリフォルニア州でも同じような事例が起こっていた。造園業を営む28歳の男性。仕事の後で突然呼吸困難になり、体中に赤いあざができていた。日本の男子高校生と同じ症状だった。
造園業の男性は病院へ搬送され、幸運にも命を取り留めた。
これらのケースは決して特別なことではないという。いまこうした異変に襲われる人が全世界で急増しているという。
彼らの体に起こったのは現代人を悩ますある症状まったく同じだった。
それは、花粉症
花粉症は、本来人には無害なはずなのに花粉やチリなどに体内の免疫が過敏に反応するアレルギー症状。
男子高生のケースや造園業の男性に起こっていたケースは非常に強いアレルギー症状だった。
アレルギーの原因
男子高生のケース
先ほどの男子高生のケースではコンビニで買って食べたチョコレートにアレルギー反応を起こした。今までは、チョコレートにアレルギー反応を示していなかったという。
花粉症がある時突然はじまるように、チョコレートアレルギーもある時、突然発症する。
造園業の男性のケース
この男性の場合はネコの毛に激しくアレルギー反応を示していた。しかも、突然発症した。
アレルギーを引き起こす代表的な物質
口や消化管から:そば、卵、牛乳、甲殻類など
鼻や気管支から:花粉、ダニ、カビなど
皮膚や粘膜から:ペット、金属、漆など
原因ははっきりしていないがアレルギー症状を引き起こす人が増えているという。
デヴィッド・プリチャードの仮説
イギリスのデヴィッド・プリチャード博士は大胆な仮説をうちたてた。
彼は人間をあるものに感染させる実験をしていた。
それは寄生虫。人間の腸に寄生する鉤虫(こうちゅう)という虫。
現在、世界で13億人の人が感染していると考えられている。開発途上国での感染率はとても高い。
衛生環境の整った先進国ではほとんど確認されていないのになぜ感染させたのか。
それは、鉤虫感染率が高い地域では花粉症や喘息などのアレルギー症状が確認できないと多くの学者が報告しているから。
プリチャード博士の見解は次のような内容
何百万年もの間、人と共存していた寄生虫。社会が清潔になっていく中でどんどん駆除されていった。これまで寄生虫に対して働いていた体内の免疫は敵を失ってしまう。
そこで、寄生虫に変わる敵の代わりとして本来無害な花粉や食べ物を攻撃するようになった。これがアレルギーの原因ではないか。
寄生虫に感染し免疫に本来の敵を与えればアレルギー反応が治まるのではないか?と考えた。
博士たちのチームが体をはって寄生虫を体内に寄生させることにした。
結果、寄生虫10匹以下であれば体調に変化がないことがわかった。
花粉症と喘息の患者、合計31人を鉤虫10匹に感染させる臨床試験を行った。
しかし、ハッキリとした改善が見られなかった。というのも、鉤虫感染率が高い国では20匹が平均的な数だった。
先ほどの造園業の男性は博士の実験をネットで見つけた。興味を抱いたその男性はアフリカ・カメルーンへ行き、素足になり鉤虫が潜んでいそうな泥の中を歩きまわった。
カリフォルニアへ戻った後、なんと男性はネコの毛も花粉も喘息も改善したという。
ある別な男性は鉤虫を30匹寄生させたが、花粉症の改善は見られたものの、副作用が強すぎて結局鉤虫を外に出してしまったと言うことでした。