相貌失認という謎の病気があるそうです。人の顔、自分の顔までも認識することができないという病気。世界仰天ニュース!ではも相貌失認に苦しみ続けているという、イギリスに住むヴィクトリアさんとドナさん姉妹のエピソードを紹介していました。顔から目を離してしまうと、顔が消えてしまうようなイメージで全く人の顔が認識できないという。
相貌失認とは?
相貌失認(そうぼうしつにん)には先天性のものと、後天性のものがある。先天性のものは、番組で紹介していたヴィクトリアとドナの例。後天性のものは、脳梗塞や一酸化炭素中毒から発症するケースが多いという。
具体的な相貌失認(そうぼうしつにん)の症状
・家族や友人の顔が分からない
・鏡に写る自分を他人だと思う
・テレビドラマが理解できない
・表情が読めないので、場の空気が読めない
・写真を見ても思い出がない
対応する方法
・音、装飾品などで認識する
・聴覚、嗅覚などで認識する
相貌失認の症状はこのような感じのようです。治療法は確立されていないという。
ヴィクトリアとドナの生い立ち
姉のヴィクトリアは1980年生まれ、妹のドナは1982年生まれの仲の良い姉妹だった。幼少の時から、友達の顔は全く認識できていなかったという。目、鼻、口は認識できるが、顔は全く認識できない。そこで、髪型や服装、しぐさなどから友人を識別していたという。
さらに、クラスメートは声で識別していた。もちろん先生の顔も分からないので、先生の名前を時間割に書くことで認識していた。そのようにして学校生活を何とか送っていたので両親も問題があるとは思っていなかった。
2人は顔だけでは認識できないのはあたりまえだと思っていた。学校からの帰り道、自分の母親でさえも識別できない時があった。
この後、姉妹は壮絶な人生を送る
生まれた時から自分の顔すら認識できない姉妹。高校生になる。メイクなどは、言葉にして覚えていたという。一緒に買物をしていても、はぐれてしまうと姉を見つけるのに苦労した。そこで、大きな声を出して合流する。ファション雑誌を見ても、モデルの違いが分からない。顔がわからないから。
相変わらず自分の顔を写真で確認することができない。
なぜ相貌失認が起こるのか?
その原因が脳にあるという。人間の脳は人を認識する特別なシステムが有り、10億分の1秒という早さで相手の顔を識別する。相手の顔を目で見ていると同時に脳で見ている。
相貌失認になると、目から送られた電気信号を脳で処理することができず、顔の様子を復元することができないという。そのため、みんな同じような顔に見えたり、ぼやけて見えたりするといった症状が現れる。
ヴィクトリアはパブで働き始める
オーダーを取るときは、テーブルの位置をメモしたり、客とのやりとりは分かった振りをしてその場を凌ぐ。妹のドナはペットの専門店で働く事になった。
ドナは、犬の区別も顔では区別が付かない。そこで、鼻の形などを触ってしきべつしていた。犬の訓練士にもの合格する。こうして仕事に懸命になっていた。
ヴィクトリアはバスの運転手に恋に落ちた。ドナは近所の電気会社に勤める男性に一目惚れされて付き合うことに。こうしてヴィクトリア、ドナは結婚する。
しかし、ともに問題も多かった。それは、顔が認識できないことでいつも見知らぬ人だった。自分の旦那を他人と間違えることも。
病名を知る
2010年に脳神経の専門医による診断を受ける。そこで相貌失認という病気を初めて知る。病名をはっきりと分かってスッキリとしたという。