芸術の秋、今盛り上がっているのがフェルメール展。17世紀のオランダを代表する画家ヨハネス・フェルメールの世界に35点しかない作品の9作品が今現在東京のフェルメール展で見られるとのこと。ノンストップでは専門家のアートテラーのとに~さんがフェルメールの絵の謎などにについて詳しく教えてくれました。
フェルメールの作品が小さい理由
とに~さんによると、他の絵画と比べるとフェルメールの絵は小さいとのこと。実際に見ると思ったよりもかなり小さいと感じるそうです。
フェルメールが作品を小さく描いた理由というのがあるそうです。
それは市民の部屋に飾れるサイズにしたからだそうです。
17世紀にスペインから独立したオランダは、経済的に著しい発展を遂げます。王侯貴族のたしなみだった絵画が市民へと広がり、画家に発注するようになったそうです。
フェルメールにも市民から注文が来るが、制作の拠点としていた場所はオランダの地方都市デルフト。
オランダ中心部の豪邸や教会に飾るのとは違い地方の家の居間などに飾る依頼が多かったので自ずと絵のサイズが小さくなったと言われているそうです。
赤い帽子の娘
もっとも小さいフェルメールの作品が赤い帽子の娘です。
今回初来日したこの絵は縦23.2cmの横が18.1cmとA4サイズよりも小さいです。
光の魔術師
フェルメールの作品の特徴と言われる光の表現。窓が描かれている作品も多く、卓越した光の表現から光の魔術師と呼ばれることもあるという。
牛乳を注ぐ女の謎
フェルメールの傑作と言われる作品の一つに牛乳を注ぐ女があります。
実はこの作品には謎が多くあるとのこと。
見えるはずの牛乳が見えない
本来、牛乳が入っている瓶は水平になっているので、牛乳の水面がもう少し見えていないとおかしいです。
牛乳の水面は書かれていたのだが、黒く塗りつぶしたのでは無いかという説があるそうです。このようにすることで牛乳に注目が集まります。
女性は一体何を作っているのか
牛乳をただ飲むだけであればわざわざ鍋に入れる必要はありません。
この女性は一体何を作ろうとしているのか。
それは、周りにパンがあることからパンプディングを作ろうとしているのではないかという説が主流のようです。
真珠の耳飾りの少女
続いて有名な作品に真珠の耳飾りの少女があります。この少女が頭につけている青いターバン。
このターバンの青い色はフェルメールブルーと言われていて多くのファンを魅了しているということでした。
フェルメールブルーの原料
このフェルメールブルーの原料として使われているのは青い鉱石を砕いたものだということでした。
この鉱石はラピスラズリと言われているもので、当時は金と同じ価格だったそうです。
一説には、筆でこの青色を一筆塗っただけで5万円だったという話もあるそうです。
まとめ
このようにフェルメールの絵はいろいろな謎が詰まっているので、実際にフェルメール展へ出向いて、この絵の謎を自分なりに仮定して解いていくのも面白いかもしれません。