動物の目の比べると、人の目は白目がはっきりとしてます。実はこの白目と認知症改善が関係しているという。ガッテンでは目を見て話すことが認知症改善に効果が出る場合があることやユマニチュードというフランス式介護メソッドを紹介していまいた。
人間に白目がある理由はアイコンタクト
なぜ、人間の目が白目と黒目がきっちりと分かれるようなものになったのでしょうか。
この理由はアイコンタクトをできるようにするためだということでした。
一説によると人間が集団で狩猟して暮らしていた時代に獲物を採るために目配せをしてアイコンタクトを取る必要があったので白目が進化したと言われているそうです。
人間の大事なコミュニケーションのアイコンタクト。白目と黒目がはっきりと別れていることでお互いの意思やときには愛情さえも伝えることが可能になります。
アイコンタクトの認知症改善効果に注目
いま、認知症の世界では、このアイコンタクトに注目が集まっているということでした。
認知症の患者と視線を合わせて接すると、患者の高まった感情や暴言、暴力などの症状も改善することがあることがわかってきたというのです。
なぜアイコンタクトにこのような効果があるのか
アイコンタクトと子供に関する実験によると面白い結果が得られたそうです。
子供に2つの人形のうち一つを選んでもらうという検証なのですが、予め母親が選んでもらいたい人形に視線を送ります。
その後で子供に人形を選んでもらったところ、視線を送った人形を手に取りました。
一方、嫌いな視線を人形に送った場合は、逆の人形を子供は選びました。
このように、人間は小さい頃から視線を読み取る力を備えているということでした。
目を見て話すフランスの介護メソッド
フランスから全世界に向けて素晴らしい介護の方法が見つかりました。その一つに目を見て話すというのがあります。
実際に介護拒否のひどい状態の認知症患者に同じように目で見て話すというメソッドを実践したところ、なんと1ヶ月後には冗談を言うまでに回復したそうです。
どのように目を見て話すのか?
去年京都大学で目を見て話す介護の研究が行われたそうです。
フランス発の介護メソッドを世界中に広めている認知症介護の専門家のイヴ・ジネストさんを招いて行われました。
イヴさんは40年にもおよぶ現場での経験から特に認知症の介護にはアイコンタクトが重要だと気づきました。
そこで、イヴさんがどのように認知症の患者に視線を送っているのか特殊なゴーグルで調べてみることになりました。
すると、部屋に入るなり認知症役の相手の目をロックオンしてずっと見続けていました。
どんな体勢になっても相手の目を捉えて離しませんでした。
認知症の人の視覚は狭くなっている可能性
イヴさんがどうしてこれほどまでに患者の目を見続けるのか。そこには多くの認知症の人の視覚に変化が起きるからでした。
実は、介護される側からすると視野が狭くなっていてアイコンタクトを取ってもらわなければ実際問題、相手を見えていない可能性があるという。
このように認知症を患うと視覚情報の捉え方が変化して視野が狭くなることがあります。
空間認知能力の低下
アルツハイマー型認知症の場合は視野が狭くなることの他に空間認知能力が低下してしまうという症状も出ることがわかっています。
このような症状になると、1人で着替えをするのにもかなりの時間がかかってしまいます。
他にも、文字を書く、フォークを使うといった動作も困難になります。
視線を合わせる介護で意思疎通ができるようになったケース
番組では意思疎通ができないくらいの症状に悩む認知症の男性のケースが紹介されていました。
男性を介護する女性は、1年ほど前から意識的に視線を合わせた介護をするようにしたところ変化が現れたという。
それは、視線を合わせると男性もうなずいて視線をお繰り返すようになったというのです。
これによって意思疎通が取れるようになってきたということでした。
このように正面から視線を合わすことが認知症の方と接するときにはとても大切だと言うことでした。
ユマニチュード フランス式介護メソッドまとめ
目を見て話すアイコンタクトの他にもフランス発の介護メソッドには重要なポイントがありました。まとめると次のようになります。
ちなみにこの技法のことをユマニチュードとも言うそうです。
- 丁寧にお辞儀をしない
- ほどよい距離感を保たない
- テキパキしない(なるべく急がない)
- 余計なことはしゃべる
- 間違いをなおさない。患者さんが間違ったことをいってもいちいち直さないという意味です。
フランス式介護メソッドはどんな認知症に使えるのか
フランス生まれの介護メソッドを日本に広めているという医師の本田さんによると、このメソッドはどんなタイプの認知症にも使えるとのこと。
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